英国競馬統括機関BHA(British Horseracing Authority)は、政府が検討している賭博税引き上げ案に強く反対し、そのメッセージAxe the Racing Tax(競馬課税を撤廃せよ)を国際舞台で発信しました。
暫定CEOのブラント・ダンシア氏はパリで開かれた第59回国際競馬統轄機関連盟(IFHA)会議で、この問題を各国の競馬当局者に訴えました。
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英国政府の課税見直し案
英国財務省は競馬への賭博税をオンラインカジノやスロットと同じ水準に引き上げることを検討しています。
ウィンフリード・エンゲルブレヒト=ブレスゲス氏(IFHA会長・香港ジョッキークラブCEO)は「この課税強化は英国の競馬および生産界全体に壊滅的な影響を与える重大な規制の失敗になる」と警告しており、BHAもこれが実施されれば英国競馬界は今後5年間で約3億3,000万ポンド(約660億円)の損失を被る見込みと発表しています。
他国の事例が示す悪循環
B.ダンシア氏は、オランダ・オーストリア・インドなどで同様の税率引き上げが導入された結果、政府の競馬関連税収が5年間で半減、違法賭博市場が急拡大した実例を紹介しました。
特にインドでは2024年に賭け金への税率が28%40%に上昇。これにより公式収入が激減し、賭博が闇市場へ流出していると報告しています。
「こうした結果を見れば、同じ道をたどるべきではないことは明らかだ」とB.ダンシア氏は述べています。
競馬は“国際的に結びついた産業”
B.ダンシア氏は競馬は世界規模でつながる産業であり、一国の政策が他国にも影響を及ぼすと強調しました。
「英国の決定は他の国の投票市場や経済にも波及する。各国が連携し、政府に競馬の国際的つながりを理解させる必要がある」と締めくくっています。

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