P.ブドー騎手をめぐる2件の性的暴行疑惑、今月末にも進展か

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性的暴行疑惑でフランスギャロから騎乗ライセンス停止処分を受けているピエール=シャルル・ブドー騎手の事件について新たな動きがありました。

現在、P.ブドー騎手には2件の性的暴行疑惑がかけられており、フランスメディアによると早ければ今月中にも裁判官による最終判断が下される見通しです。

参考記事
INFO FRANCEINFO. Hippisme : le parquet de Senlis requiert le renvoi du jockey Pierre-Charles Boudot devant la cour criminelle pour viol

事件の内容は以下にまとめています。

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2015年の事件

この事件は不起訴となる可能性が高くなっています。

2015年8月、フランスのドーヴィル競馬場で行われた競馬のイベント中に、当時19歳の女性アマチュア騎手が「P.ブドー騎手に薬物を使用されたうえで性的暴行を受けた」と訴えました。

しかし検察はこの事件に関しては「不起訴とすべき」との意見を裁判所に提出しています。

不起訴となる理由

被害女性が告発したのは事件から3年後の2018年だったため「薬物の成分や摂取経路を証明する証拠」や「目撃者、物的証拠」が不足しており、起訴に踏み切る決め手がなかったとされています。

英国メディアで発表された聴取の内容

英国メディアによると、問題の夜は22歳のP.ブドー騎手と19歳の女性が親密になり、合意の上で関係を持ったとされています。

女性はその後もP.ブドー騎手と連絡を取り続け、誕生日を祝ったり騎乗のアドバイスを求めたりしていたことが明らかになっています。

参考記事(RACING POST)
Arc-winning jockey Pierre-Charles Boudot goes public to refute rape allegation

P.ブドー騎手側の弁護士は、女性が事件から3年半以上経って告訴したことを指摘し、「恋愛感情のもつれがあったのでは」と主張しています。

一方で告発者側の弁護士は「自分自身の心の傷を癒し、他の被害者を守るための告訴」と説明し、今後新たな被害者が現れる可能性も示唆しました。

フランスギャロは「今後の司法手続きを注視する」と公式声明を発表しています。

2021年の事件

こちらは起訴される可能性が高いとされています。

2021年2月、フランスのカーニュ=シュル=メールで行われた競馬イベント後のパーティーで、当時25歳のワークライダーが「P.ブドー騎手から性的暴行を受けた」と告訴しました。

この事件も2015年のときと同様に「被害者は飲酒または何らかの薬物を摂取させられ、同意できない状態にされた可能性が高い」とされています。

また「彼女には断片的な記憶しかなく、長いあいだ体が思うように動かなくなった時期があった」と被害者側の弁護士が語っています。

検察はこの事件について「裁判所で正式に裁くべき」と判断し、刑事裁判所への送致を求めました。

フランスギャロからは厳しい処分が下される

事件発覚後はフランスギャロから騎乗停止処分を受け、2025年現在もフランスでの騎乗はできない状態です。また、シャンティイを含むフランス・オワーズ県への立ち入りも禁止されています。

その後、5万ユーロ(当時のレートで約655万円)の保釈金を支払い、現在も司法監視下に置かれる状況に。

最終的な判断は今月末に

裁判官による最終判断は、早ければ今月末にも下される予定です。最終的な判断は裁判官に委ねられているため、検察の意見が必ずしも通るとは限りません。

P.ブドー騎手は2025年2月からカタールで騎乗していますが、今後の裁判結果次第では活動や立場に大きな影響が及ぶ可能性があり、判決に注目が集まります。

現役の騎手として復帰を果たしたP.ブドー騎手。

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